東電発注工事で談合か=NEC、富士通など―5社に立ち入り・公取委

東京電力が発注した通信設備の整備工事をめぐり談合を繰り返していた疑いが強まったとして、公正取引委員会は19日、独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで、NEC(東京都、東証1部)や富士通(同)など5社を立ち入り検査した。
 ほかに立ち入りを受けたのは扶桑電通(東京都、東証2部)や大井電気(横浜市、ジャスダック)など。談合により工事の受注価格が上がり、利用者が支払う電気料金が無駄に使われた可能性がある。
 東電発注の工事をめぐっては、送電線工事で談合があったとして、2013年に業者に対し、排除措置命令が出されており、東電の談合対策が十分だったかも問われそうだ。
 関係者によると、各社は過去数年にわたり、東電内部の専用回線である「電力保安通信設備」の工事に関して、受注企業や見積価格を調整するなど、談合を繰り返していた疑いが持たれている。市場規模は数十億円程度とみられる。
 国の規定などによると、電力保安通信設備は電気の安定供給のため、発電所や変電所間などで通信、連絡に使われる回線。災害時に壊れないよう無線アンテナなどを強化することが求められる。
 NEC、富士通、大井電気は「調査には協力する」、扶桑電通は「立ち入りは事実だ」とコメントした。