心斎橋通り魔、礒飛被告に死刑判決…大阪地裁

 大阪・心斎橋の路上で2012年6月、男女2人が刺殺された通り魔事件で、殺人罪などに問われた無職礒飛(いそひ)京三被告(40)の裁判員裁判の判決が26日、大阪地裁であり、石川恭司裁判長は求刑通り死刑を言い渡した。

 判決によると、礒飛被告は12年6月10日午後1時頃、大阪市中央区東心斎橋の路上で、音楽プロデューサー南野信吾さん(当時42歳)と、スナック経営佐々木トシさん(同66歳)を包丁で刺して殺害するなどした。

 公判で礒飛被告は、「頭の中から『刺せ』と声が聞こえた」などと述べ、刑事責任能力の程度が争点になっていた。

 検察側は「幻聴の影響は乏しかった」として完全責任能力があったと主張。弁護側は「以前に使っていた覚醒剤の影響で、(法律上、刑が減軽される)心神耗弱状態だった可能性を否定できない」と訴え、死刑を回避するよう求めていた。