新幹線で火災、男女2人死亡 車内で油まく 複数けが

30日午前11時半ごろ、神奈川県小田原市上町を走行中の東京発新大阪行きの東海道新幹線のぞみ225号(16両編成)の1号車内で出火し、緊急停止した。県警や消防によると、乗客のうち何者かが車内に液体をまいて火をつけたといい、全身にやけどを負った男と60歳くらいの女性の死亡を確認。ほか1人が重傷を負い、8人がけがをしているという。

JR東海や県警などによると、1号車の先頭付近で煙が上がった。トイレの非常ボタンが押されたため、運転士が車両を緊急停止し、警備会社などを通じて消防や警察に通報した。乗客からも午前11時49分ごろ、「男が灯油のような液体をまいて火をつけた」と110番通報があった。

 1号車の運転台に近いデッキ付近に油にまみれた男が1人倒れており、乗務員が消火器で消し止めた。また、1号車後方のデッキにも女性1人が倒れていることを確認した。県警は、男が油をかぶって火をつけ、自殺を図ったとみている。女性は巻き込まれた可能性がある。女性は小田原市内の病院に運ばれた。

 JR東海によると、この新幹線は午前11時に東京駅を出発。約1千人が乗っていた。1〜3号車の乗客は4号車より後ろの車両に避難し、車内で待機した。JR東海は、消火活動や捜査が済み次第、車両を小田原駅まで進め、乗客を降ろすことを検討している。新幹線は午後1時20分現在、上下線とも運転を見合わせている。

 政府は午前11時50分、首相官邸の危機管理センター内に情報連絡室を設置した。