東芝の田中社長、水増し徐々に縮小 就任後、発覚恐れ

東芝の不適切会計問題を巡り、田中久雄社長が、2013年6月の社長就任後も、一部の利益の水増しを続けていたことが13日わかった。問題を認識した上で、一気に処理して公になるのを恐れ、事態の「軟着陸」を狙って徐々に水増しを縮小していたと、問題を調べている第三者委員会はみている。

 関係者の話でわかった。第三者委も、社内メールや社員に対する聴取で、このことを把握している模様だ。月内にも出す報告書に盛り込むとみられる。

 利益の水増しは、09年6月から13年6月まで社長だった佐々木則夫副会長の下で広がった。田中氏は社長就任後、それを縮小する一方で、会計のつじつまが合わなくなるのを避けるため、一部の損失隠しなどは続けていた。インフラ工事で発生した損失について「翌期にずらせないか」などと部下に指示することもあったという。