カンボジアで「人命救助ネズミ」が活躍、短時間で地雷嗅ぎ分け

カンボジアで地中に埋まった地雷の探知に、アフリカオニネズミが大活躍している。このネズミは、金属探知機を持った人間が数日かかかるところ、わずかな時間で地雷を見つけ出せるという。

ベルギーの非営利組織(NPO)APOLOにタンザニアから連れてこられ、生後4週間から地雷探知用に訓練されたネズミたちだ。カンボジアの地雷除去兵が手にするロープの先につながれ、草むらに放たれると、地雷に含まれるTNT火薬を嗅ぎ分ける。地雷除去チームの責任者は「彼らは人命救助ネズミだ」と話す。

カンボジア政府によると1979年以降、地雷や不発弾による死者は2万人近く、けが人は約4万4000人に上る。1970年代のクメール・ルージュによる虐殺など、数十年に及ぶ内戦の名残りで国内には今も地雷が多く埋まり、身体に障害を負う人が後を絶たない。

ネズミを使う地雷探知の最大の利点の一つは、体重が軽いため、地雷に近づいても爆発を引き起こさないことだという。