貿易赤字、大幅に縮小 15年上半期、1兆7251億円
財務省が23日に発表した2015年上半期(1〜6月)の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆7251億円の赤字だった。半期で過去最大だった14年上半期の7兆6281億円の赤字に比べ、大幅に縮小した。原油価格が安くなって輸入額が減る一方、自動車など北米向け輸出が好調だった。貿易赤字は半期ベースで9期連続。14年上半期までは、東日本大震災後に液化天然ガスなど火力発電用燃料の輸入が増えた影響で、赤字幅が拡大していた。だが、今年1〜6月の原油価格は1バレル=57・7ドルと1年前のほぼ半額になったことで、全体の輸入額は14年上半期より7・4%少ない39兆5330億円と、11期ぶりに減少した。
一方、全体の輸出額は同7・9%増の37兆8080億円。米国向け自動車、アジア向け半導体電子部品などが堅調だった。輸出先としては米国向けが16・6%増と大きく伸びたが、景気が低迷する欧州連合(EU)向け(5・1%増)と中国向け(2・2%増)は伸び悩んだ。
ただ、輸出額の増加は円安で輸出品の円換算額が膨らんだ影響が大きい。数量ベースの輸出量をみると、14年上半期に比べて1・6%増にとどまる。
6月単月の貿易収支は690億円の赤字で、3カ月続けて赤字だった。原油価格の下落で輸入額の減少は続く。輸出額も米国向け自動車や中国、台湾向け半導体電子部品などが伸びた。昨年同月の貿易赤字額8340億円より大幅に縮小した。