明治安田、米中堅生保を買収 6千億円で業界過去最大に

明治安田生命保険は、米中堅生保のスタンコープ・ファイナンシャル・グループ(SFG)を買収する。24日午前発表する。買収額は6000億円強で、国内生保としては今年2月に第一生命保険が米中堅生保プロテクティブを5750億円での買収した額を上回る、国内生保最大規模の買収となる。明治安田は買収をてこに米国市場での本格展開に乗り出す。

 SFGは、米オレゴン州に本社を置く中堅生保で、生命保険事業のほかに、資産運用も手がける。時価総額は約4000億円で、売上高に相当する保険料等収入は約2400億円。生命保険事業の中でも団体保険に強みを持つなど、メットライフやプルデンシャルなどの大手とは一線を画す経営戦略が特徴で、団体就業不能保険で全米シェア7%、団体定期保険はトップ10に入る。今回の買収で、SFGの保険商品や運用ノウハウを共有するなど、明治安田は相乗効果を狙う。

 米国の生保業界は、5300億ドル(現在の為替レートで約65兆円)と世界全体の2割強を占める最大市場で、2位の日本(42兆円)を大きく上回る。人口縮小の影響などで将来的な縮小が見込まれる日本市場とは対照的に、人口増が続くうえ、景気回復ペースも早い米国はさらに生保市場が拡大する見通し。明治安田は、1976年から日系人向けにハワイで保険事業を手がけるが、今回の買収を機に全米での事業展開に乗り出す。