スカイマーク債権者集会、ANA支援の再生案を承認=関係者

民事再生手続き中のスカイマーク<SKALF.PK>の債権者集会が5日、東京地裁で開かれ、同社が策定したANAホールディングス<9202.T>や投資ファンドのインテグラル(東京都千代田区)をスポンサーとする再生計画案が債権総額の2分の1以上と債権者数の過半数の同意を得て承認された。関係者が明らかにした。

これにより、スカイマークは再建に向けて一歩前進したが、システム対応など取り組むべき課題は山積しており、このままスムーズに離陸できるかどうかは不透明だ。

債権者集会では、最大債権者の米航空リース会社イントレピッド・アビエーションが米デルタ航空<DAL.N>をスポンサーに据えた再生計画案も諮られ、スカイマーク案と対立する展開となったが、関係者によると大口債権者の仏エアバス<AIR.PA>がANA支持に回るなど、ANAとの取引に配慮した債権者の動きが勝負を決した。

別の関係者によると、債権総額の6割以上、債権者135人以上がANA支援案に賛成したという。

スカイマーク再生案をめぐっては、関係者の利害が交錯する中で、債権者集会での投票にもつれ込むという異例の展開をたどった。両陣営による支持争奪戦は日を追うごとに過熱。バトルの過程ではスカイマークの再生よりも、ドル箱とされる羽田空港の発着枠をめぐる思惑や今後の取引をちらつかせた駆け引きなどエアラインスポンサーの「都合」も目につき、市場では利用者不在との批判も聞かれた。

スカイマークは今後、ANA傘下の全日本空輸(全日空)とコードシェアを実施するほか、新たなシステム構築を検討するなど、ANA支援のもとで再生を図る。ただ、ANA色が強まれば、第3極としての立ち位置に疑念を持たれかねない。両陣営の再生案がともに否決されるという最悪の結果は免れたものの、国内航空市場が寡占状態にある中で、スカイマークが第3極としての立場を貫けるのか、再建を主導するインテグラルの手腕も問われることになる。