シャープ希望退職、3千人以上応募か 面談重ね促す例も

経営再建中のシャープが4日、7月27日に始めた希望退職者の募集を終えた。3500人の応募を見込んだが、同社関係者によると、計画に届かなかった模様だ。人件費削減は再建策の柱の一つだが、立て直しへの道筋は厳しいままだ。

対象は45〜59歳で、割り増し退職金を受け取り、9月末に辞める。計画の3500人は、グループで国内に約2万4千人いる従業員の15%にあたる。関係者によると、応募者は3千人を超えたものの、計画数を下回ったとみられる。中高年が対象で、再就職への不安を抱く社員が多かったようだ。募集期間は延長しない方針という。

 シャープは2012年も希望退職を募り、目標の1・5倍の2960人が応募した。高橋興三社長は7月末の会見で今回の応募状況について、「それほど(3500人の)目標を下回っていない」と述べていた。

 同社は15年3月期連結決算の純損益が2223億円の赤字。シャープ単体では、すべての資産を処分しても借金(債務)を返せない「債務超過」に陥った。メインバンク2行から2千億円の金融支援を受けるかわりに、本社売却などで年285億円の収益改善効果を出すと決めた。その柱が希望退職の募集だ。

 先月末に発表した15年4〜6月期も、純損益は339億円の赤字。高橋社長は「想定よりも非常に厳しい状況になっている」として再建策の見直しも示唆している。希望退職が計画通りに実現すれば、半年で約150億円のコスト削減を見込めるが、応募者が少ないと収支の改善は厳しくなる。