東芝、1千億円超の損失計上へ 5年ぶり赤字転落も

東芝が、不正会計問題の影響で、発表できずにいる2015年3月期決算について、半導体、白物家電、原子力発電事業で総額1千億円を超す損失を計上する方向で調整していることが11日わかった。純損益ベースで、5年ぶりの赤字に転落する可能性も出てきた。

 東芝はもともと15年3月期決算を5月中旬に発表する予定だったが、不正会計問題で延期した。その後、第三者委員会の調査で、09年3月期からの約7年間で約1500億円の利益の水増しが判明している。

 15年3月期決算をめぐっては、不正会計の発覚前は営業利益を3300億円、純利益を1200億円と予想していた。だが、不正会計問題で利益をかさ上げして大きくみせる体質を問題視され、事業の資産価値を見直す作業を進めている。

 その結果、原発、半導体、白物家電の各事業で、それぞれ300億円超の損失を計上する見通しになった模様だ。原発は、09年度に受注した米テキサス州での工事の遅れが大きい。16年以降の運転開始をめざして数百億円を投じたが、米規制当局の事前審査が長引いている。14年3月期も310億円の損を出したが、今回も損失を追加する。