山口組のごみから猛毒フッ酸 ガス吸い作業員14人軽症

神戸市東灘区の民間の産業廃棄物処理施設で3日、ポリタンクに入っていた猛毒のフッ化水素酸(フッ酸)の液体から気化したガスを吸って、作業員ら14人が軽症を負う事故が起きていたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。

 ポリタンクが神戸市灘区の指定暴力団山口組総本部からごみとして出されていたことも判明。兵庫県警は同日午後にも、廃棄物処理法違反事件の関係先として、同本部を家宅捜索し、用途などを調べる。

 捜査関係者によると、ポリタンクは、同本部から神戸市灘区の産廃業者が回収した。業者の処理手続きなどに、違反があった疑いがあるという。

 フッ酸は工業で広く使用され、毒劇物取締法で指定される揮発性の液体。皮膚を壊死(えし)させ、吸い込んでも死に至る危険がある。

 韓国では2012年9月、化学工場から大量のフッ酸ガスが漏れ、周辺住民の健康被害が続出。翌年1月にもサムスン電子の半導体工場でフッ酸が漏洩(ろうえい)し、1人が死亡する事故が起きている。