山口組分裂騒動 「不法行為は迅速検挙」久米刑事部長が着任会見 兵庫県警

国内最大の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)の分裂騒動で、8月24日付で着任した兵庫県警の久米一郎刑事部長(51)が31日会見し、「情勢によっては対立抗争の発生も懸念され、警戒を強化している。不法行為があれば迅速に検挙し、暴力団壊滅につなげたい」と述べた。

 分裂騒動では離脱派の規模などをめぐって臆測が飛び交い、「情報収集、分析を急ぐ」と強調。暴力団対策については「暴力団関係企業の摘発など資金源の面からも戦略的に取り締まり、弱体化を図る」とし、地域と連携した排除活動にも意欲を示した。

 未解決となっている神戸市北区の高2男子刺殺事件(2010年発生)や加古川市の小2女児刺殺事件(2007年発生)についても、「一日も早い検挙に結びつけたい」と決意を語った。

 久米氏は1988年に警察庁に入庁。同庁捜査1課長補佐や宮崎県警警務部長、同庁給与厚生課理事官などを歴任した。兵庫での勤務は初めてとなる。(田中陽一)

兵庫県の井戸敏三知事は31日の定例会見で、山口組の分裂騒動について、「県内で争闘が行われて、一般人が巻き込まれるようなことが起きることを一番懸念する。一般人に迷惑をかけることがないように配慮を強く求めたい」と話した。