大内屋 創業339年 来年1月で閉店

江戸時代創業の衣料品店「大内屋」(仙台市青葉区)が来年1月末に閉店することが23日、分かった。仙台市泉区の商業施設セルバに入る店舗も同月24日に営業を終了し、衣料品販売は廃業する。主力の女性向け下着やインナーウエアの販売が振るわず、老朽化するビルを建て替えても業績の好転が見込めないと判断。本店の土地と建物の売却も視野に入れている。

本店は、一番町のアーケード街が交わる角地にあり、多くの買い物客らに親しまれてきた。地上4階、地下1階で、1、2階の店舗で下着や服飾雑貨などを販売。下着ブランドや生花店のテナントも入っている。

ピーク時は宮城県内のほか青森、岩手、福島、東京など各都県に計14店を展開。売上高は1990年代後半に年約36億円に達した。

最近はメーカー直営店、インターネット販売などの攻勢に加え、価格競争も激化。7月末にはJR仙台駅ビル「エスパル仙台店」から撤退し、本店とセルバ店の2店舗だけとなり、売上高は約10億円に落ち込んだ。本店は築40年以上経過し、耐震化工事や建て替えが急務となっていた。

パートや派遣社員を含め約40人の従業員には既に事情を説明した。衣料品販売は廃業するが、会社組織は当面存続し、不動産部門の業務を継続するかどうか検討する。

大内屋は1676(延宝4)年、古着屋として現在の青葉区大町で創業。1879年に本店を現在地の青葉区一番町に移し呉服を扱った。73年に若者、女性向け衣料品店にリニューアル。89年には下着やインナーウエア中心の店に変えた。

12代目の大内友幸社長(60)は「倒産して取引先などに迷惑を掛けないために、廃業を決意した。長年信頼して利用してくれたお客さまにご不便をお掛けするのが心苦しい」と話した。