中国企業 ウェスティンに触手…米ホテル買収、3社名乗り

世界的なホテルチェーン「ウェスティン」や「シェラトン」などを運営する米スターウッド・ホテルズの買収に中国企業3社が名乗りを上げていることが明らかになった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が27日、関係筋の話として報じた。

 スターウッドの株式時価総額は120億ドル(約1兆4400億円)超で、買収額はこれを上回るとみられる。買収に至れば、中国企業の米企業買収としては過去最高額になる可能性があるという。

 中国経済は減速が鮮明だが、巨額の資金を持つ中国企業の投資意欲は依然旺盛だ。

 同紙によると、中国企業3社は、政府系ファンドの中国投資有限責任公司▽海南航空の親会社HNAグループ▽錦江ホテルグループ。中国企業は海外投資にあたって、当局の承認を得る必要がある。当局は近く1社を選び、買収交渉に参加させる見通しという。

 中国の3社のほかにも、買収に関心を示す企業は十数社に上り、買収合戦になる可能性がある。

 米国のホテル事業を巡っては、中国の保険会社が昨年10月、ニューヨークの名門ホテル「ウォルドルフ・アストリア」を19億5000万ドルで買収した。ただ、盗聴の恐れが指摘され、オバマ大統領は定宿にしなくなった。

 今回の買収でも、安全保障の観点から、中国勢は米当局の審査を受ける必要があるとみられる。