豪大手銀の保険事業買収で合意、日生が正式発表

国内生命保険大手の日本生命保険は28日、豪州大手銀行「ナショナルオーストラリア銀行」(NAB)の保険事業を買収することで、NAB側と合意したと正式発表した。

 買収額は約24億豪ドル(約2040億円)で、日本生命にとっては海外で経営権を握る初の買収案件となる。

 発表によると、NABが保険事業を分社し、新会社に日本生命が8割、NABが2割を出資する。NABとは今後20年間の販売契約を結んだ。豪州での保険販売は銀行窓口が主力の販路で、NABの窓口での販売ルートを活用する。2016年9〜12月に買収手続きの完了を目指す。

 豪州は医療保険などの加入率は低いが、所得水準は高く、人口も増加基調で有望な市場とされる。NABの保険事業の同国内シェア(市場占有率)は12%と5位だ。15年9月期の保険料等収入は約1510億円に上る。

 NABは事業の選択と集中を進めるため、保険事業の売却先を探していた。