米製薬ファイザーが大型合併交渉 同業アラガンと

米製薬大手ファイザーは29日、アイルランドの同業アラガンと合併に向けた交渉をしていると発表した。米メディアは「実現すれば今年最大のM&A(企業合併・買収)になる」と伝えている。

 両社の交渉については、米紙ウォールストリート・ジャーナルが28日に報道。これを受け、ファイザーは「アラガンと友好的な話し合いを続けている」との声明を出した。アラガンも協議を始めたことを認める声明を発表した。アラガンはしわ取りで使う薬剤「ボトックス」が主力製品で、合併を打診したファイザーは商品群をさらに広げるねらいがある。

 アラガンの時価総額は1100億ドル(約13兆3千億円)前後で、実現すると、ビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)による同2位の英SABミラーの買収金額(約13兆円)を上回り、今年最大のM&Aになる可能性が高い。

 ファイザーは昨年、英同業のアストラゼネカに総額約12兆円の買収を持ちかけたが、交渉を拒否されて断念した。世界の製薬大手は主力薬品の特許切れが迫っているため、積極的な合併・買収を模索している。