ホンダジェット、米当局から認定取得 受注100機超、年内にも引き渡し開始

ホンダは9日、米子会社で開発を進めている小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」について、安全性などの基準を満たすことを示す型式証明の認定を米連邦航空局(FAA)から受けたと発表した。すでに100機以上の受注を受けて米国内の工場での生産を進めており、年内にも顧客への引き渡しを始める。

 航空機事業をめぐっては、創業者の故本田宗一郎氏が1962年に参入への意欲を表明。86年からは航空機向けのジェットエンジンの本格開発に着手しており、半世紀以上の月日をかけて販売開始にこぎつけたかたちになる。

 ホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長はノースカロライナ州での式典で、「型式証明の取得は記念すべき一里塚だ」と述べた。ホンダジェットは富裕層の自家用利用などをターゲットとして年間100機程度の販売を見込んでおり、5年程度での単年度黒字を目指す。

 かつては年間1300機を超えていたビジネスジェット市場はリーマン・ショックのあおりで13年には678機まで減少。しかし、14年には722機まで拡大しており、継続的な回復が期待されている。