プリウス成否はTNGAの試金石 「もっといいクルマづくり」を強調
新型「プリウス」は、車台などを一体開発して性能を向上する新たな開発手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の第1弾。世界販売首位を維持するトヨタが商品力でも優位に立てるか、プリウスの成否はその試金石になる。TNGAは、前輪駆動の小型車や後輪駆動車など車をいくつかのタイプに分け、基本となる車台を新たに開発。部品の共有化なども進めることで、トヨタ車全体の性能向上を図る取り組みだ。世界販売が1000万台を超え、地域ごとに多様な商品が求められる中、開発を効率化し、製造工程の短縮などにもつなげる狙いがある。
この日の会見で、加藤光久副社長は「(TNGAの)目的はもっといいクルマづくり。商品力を大幅に向上させ、効率化で浮いた元手をいいクルマの開発に再投資する」と強調した。これまでトヨタ車は品質や燃費の評価は高かったが、「走りなど車の魅力に欠けるという意見も少なくなかった」(幹部)。そこで、新型プリウスは、TNGAで車台から一新することで重心を低く抑え、運転席の位置などを変更。走行性能や運転のしやすさなどを改善した。
トヨタはTNGAの対象車を2020年ごろに世界販売の半分に展開する計画。日本ではエコカー市場で圧倒的なシェアを誇るプリウスだが、高速走行が多い欧州などでは伸び悩んでいただけに、新型車が海外でも受け入れられるかどうかが、TNGAの評価を左右しそうだ。