税制改正大綱 法人税減税1年前倒しで20%台 外形標準課税で代替財源手当て

法人税は実効税率を2段階で下げる。減税に必要な財源は赤字企業にも課税する「外形標準課税」の拡大や、企業が最新設備を導入した際の設備投資減税の終了などで確保する。厳しい財政状況を踏まえ、減税と同等の財源を確保する「税収中立」を堅持した。

 政府・与党は当初、企業が購入した設備を複数年に分けて費用計上し、毎年の法人税負担を軽くする「減価償却制度」の見直しなどで財源を確保し、28年度に30・88%まで下げる方向で検討した。だが、安倍晋三首相が「早期の20%台」への下げを指示し、1年前倒しで実現することにした。

 法人実効税率を1%下げると約4千億円の税収減になる。代わりの財源の大半は外形標準課税で賄う。資本金1億円超の企業に対し業績が赤字でも従業員の給与や資本金に応じて課税する仕組みだ。対象拡大で好業績の企業は減税になるが、赤字や利益が少ない企業では税負担が重くなる。

 影響緩和のため資本金1〜10億円程度の企業は28年度の税額のうち27年度より増えた部分(負担増分)の75%の支払いを免除する。29年度は50%、30年度は25%と免除幅を段階的に縮小する。