セブンイレブンは好調だが、イトーヨーカ堂(GMS)不振の打開策はあるのか? セブン&アイ営業最高益で思うこと

今日の日経で、セブン&アイ営業最高益 3〜11月2600億円 日米コンビニ好調との記事があり、セブン&アイの2015年3〜11月期は、連結営業利益が2600億円程度と前年同期に比べて約5%増え、同期間として3年連続で過去最高になったとのことです。日米でのコンビニエンスストア事業の好調が連結利益を押し上げているとのこと。

コンビニが好調なのは非常に結構なことですが、 一方で総合スーパー事業(GMS)の苦戦は続いているもようですね。衣料品の値引き販売などの影響でイトーヨーカ堂の営業損益は赤字(前年同期は25億円の赤字)だったとみられます。暖冬で百貨店事業もコートなどの売り上げが伸び悩んでいるとか。

むしろ私が気になるのはこのGMS事業の方です。これはイトーヨーカ堂だけでなく、イオンにも同じことが言えるわけで、大規模なコンビニ形態を持たないイオンとしては、極めて深刻な問題と言えます。

■GMSは過去15年で市場が25%消滅

GMS(総合スーパー)とは、幅広い商品を販売するセルフサービス方式の大型小売店を指す。食料品・日用雑貨・衣料品・電化製品など、生活必需品の豊富な品揃えが特徴(ワンストップショッピング)であり、アメリカで発達した業態のひとつです。日本では、アメリカのGMSでは販売していない食料品を主力としたことで、独自の業態展開を行っています。平均店舗面積が6,000岼幣紊梁腟模店舗を多店舗展開することで、大量仕入れ・大量販売を行い、広範な品揃えと低価格を同時に実現させています。

各社は、コンビニエンスストアなどでの収益をGMS部門に回し、新規出店や店舗改装などGMS店舗の設備投資を実施し、成長を継続してきた経緯があり、なお、最大手各社は次々と小売業態を傘下に収め流通再編を主導している状態です。また、総合商社が各社と資本・業務提携を締結し流通再編を加速させている状況とも言えます。

日本チェーンストア協会の販売統計によると、総合スーパーの市場規模は2012年で12兆5,340億円。1997-2012年の年平均成長率(CAGR)は−2.0%で縮小、過去15年間で市場の25%が消失したことになります。

一方で2000年以降、市場とは反対に売場面積は拡大しており、店舗の大型化が推進され、背景には法規制の変更があり、2000年の大規模小売店舗立地法の施行に伴い、大型店舗の出店規制が緩和されたことにより増加しました。

■GMS低迷の原因はSPAの台頭

異業種との競争激化も市場低迷の一因となっており、その背景には、長い景気低迷による消費者の節約志向が高まったことや、値引き販売の激化による売上の縮小があります。

また、ファーストリテイリング(ユニクロ)やニトリなどの郊外型大型専門店が増加したことで、従来GMSで購入していた消費者が、より豊富で低価格商品を揃える専門店に流失しました。

従来のGMSのビジネスモデルは利幅の大きい衣料品で稼いできたのですが、このような製造小売(SPA)が出てきた結果、彼らはその製品訴求力で独自の出店を行うことが可能になり、ロードサイドに多く進出し、GMSに出店するなら、その商品力を武器に、GMSとの家賃交渉を優位に進める様になりました。結果的に今のGMSは利幅の少ない食料品に頼っている状況です。/p>

セブン&アイはコンビニが良いだけで、ヨーカ堂の利益率はイオンとほとんど変わりません。現在、各社は自社テナントに複数の専門店を組み合わせたショッピングモールを開発し共存を図る施策を取っていますが、人口減が続く中で、今後、大規模GMSが機能するとは考えにくく、特にGMS専業形態の発行体に事業リスクが高まって来ていると感じる次第です。

各社の正式な開示を待ちたいと思います。