暖冬傾向で野菜巨大化 生産者にとっては「死活問題」

暖冬傾向で、野菜の生育に影響が出ている。消費者にとってはうれしい傾向も、生産者にとっては死活問題となっている。

宮崎・高鍋町で、トラックに大量に積まれていく、丸々と大きく育ったキャベツ。手際よく箱詰めされていくが、見ると、ふたも閉まらないほど、ぎゅうぎゅう詰めだった。これを、次々とトラックに積み込んでいく。

キャベツ農家は「作が早まって成長しているので、収穫作業に追われて、品質が落ち気味にはなりますよね」と話した。

収穫が間に合わないほど、次から次へと育つキャベツ。

その理由は、暖冬にあった。7日も東京都心では、13度近くまで気温が上がるなど、3月上旬並みの陽気となった。この暖冬傾向は、今後も続くとみられている。この暖冬が影響しているのが、野菜の生育。2015年11月以降、適度な雨が降ったこともあり、野菜が早く大きく育っている。

早く大きく育った野菜は、どうなるのか。

東京・練馬区のスーパーを訪ねてみると、例年に比べて3割ほど安くなっていた。

野菜を買いに来た人は「ついこの間まで(キャベツは)300円近くしていた。今88円で、とっても安いと思う」と話した。

6日に発表された、農林水産省の食品価格動向調査でも、白菜は1kgあたり117円。キャベツは1kgあたり123円と、平年に比べ、1割ほど安くなっていた。

アキダイの秋葉弘道代表は「生育が非常にいい状態なので。特にダイコン、見ての通りでかいです。平年ですと、こういう大きいサイズをかき集めるのが大変だが、ことしの場合は、黙ってても大きいのが来るという感じ」と話した。

消費者にとってはうれしい傾向だが、生産者にとっては死活問題。

キャベツ農家は「秋口から豊作気味に作が出るので、価格としては厳しい。1月2月3月に収穫予定のものが、前倒しで早くできているので、こういう経験は初めてですね」と話した。

消費者にとっても、心配なことがある。農水省によると、このまま出荷時期の前倒しが続くことで、次の品種などの切り替え時期とのずれが生じるという。このことで、逆に一時品薄になり、値段が高くなる可能性があるという。.