暴走新成人、痛すぎドリフト 69歳夫婦はね骨折

大人になりきれない20歳−。成人の日を翌日に控えた10日、全国各地で行われた成人式で、新成人の逮捕が相次いだ。静岡県湖西市では、式の会場敷地内で車をドリフトさせた新成人の男が、孫の晴れ姿を見に来た60代の夫妻をはね、骨盤骨折などの重傷を負わせた。県警は運転していた豊橋市の工員、市川和樹容疑者(20)を自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕した。

 車は、タイヤをきしませて横滑りし、孫の晴れ姿を見に来た夫妻をはねた。湖西署によると、市川容疑者の逮捕容疑は10日午後0時40分ごろ、湖西市アメニティプラザ敷地内で乗用車を暴走させ、歩道部分を歩いていた夫妻(いずれも69)をはね、重傷を負わせた疑い。調べに対し、容疑を認めているという。

 署によると、事件は午後1時から始まる式の直前に発生。夫妻は孫の成人式を見に来たところだった。車は敷地内で蛇行運転するなどしており、会場玄関付近のロータリーでUターンした際、横滑りしながら歩行者通路に乗り上げ、車体右側の運転席ドア付近で歩いていた夫妻をはね飛ばしたという。夫は頭部外傷、妻は肋骨(ろっこつ)骨折、骨盤骨折の重傷を負った。

 会場の職員が110番通報し、現場に到着した署員が市川容疑者を現行犯逮捕した。市川容疑者は湖西市が地元で、別の新成人の男性2人を同乗させて会場に来ていた。車は暴走族などの間でかつて流行した通称「デッパ」と呼ばれる大型フロントスポイラーなどでドレスアップされていた。