野々村被告否認「記憶にない」 髪短くし深々と一礼

突然の初公判欠席、裁判所による強制出廷という異例の展開をたどり、元兵庫県議・野々村竜太郎被告(49)の裁判が26日、ようやく始まった。政務活動費をめぐる疑惑の「号泣会見」から1年半。市民も見守る公開の法廷で、被告は政活費詐取を否認した。

頭を短く刈り込み、黒いスーツ姿で法廷に現れた野々村被告は法壇や傍聴席に深々と一礼。「公判を欠席して深く謝罪します」とわびた後、罪状認否で起訴内容をはっきり否認した。「どのような作業を行ったのか、一つひとつの記憶がございません」。検察側が冒頭陳述で「虚偽」「改ざん」と繰り返すと、次第に目を充血させた。

 野々村被告は1年半前の「号泣会見」で、政治家を志した理由をこう訴えた。「本当に、誰に投票しても一緒や。じゃあ俺が立候補して、この世の中を変えたい。その一心で一生懸命訴えて、やっと議員になったんです!」