新日鉄住金、国内4位の日新製鋼を買収へ 1千億円規模

鉄鋼国内最大手の新日鉄住金は、同業で国内4位の日新製鋼を買収する方針を固めた。完全子会社化する方向で調整しており、1日にも発表する。中国経済の減速や鉄の過剰生産によって業界が逆風下にあるなかで、世界2位の鉄鋼メーカーとして経営体力を強める狙いがあるとみられる。

 国内鉄鋼大手の再編は、新日本製鉄と住友金属工業が合併し、新日鉄住金ができた2012年10月以来となる。買収金額は1千億円超になる可能性がある。買収により、鉄鉱石を溶かして鉄をつくる日本の高炉メーカーは、新日鉄住金、JFEホールディングス、神戸製鋼所の3グループに集約される。

 新日鉄住金は、世界最大手のアルセロール・ミッタル(ルクセンブルク)に次ぐ世界2位。だが、世界の鉄鋼業界は、中国でつくりすぎて消費しきれない鉄が国外に大量に輸出され、市況が大幅に低迷する課題に直面する。米USスチールや韓国ポスコなど大手は軒並み赤字に苦しむ。