清原容疑者、野球殿堂入り候補者資格はく奪へ

覚醒剤取締法違反の疑いで警視庁に逮捕された清原和博容疑者(48)に関し、野球殿堂博物館が殿堂入り候補者資格を剥奪する可能性が3日、出てきた。また、会員に名を連ねる日本プロ野球名球会では、当面、同容疑者の会員としての活動を自粛させる方針を固めた。

 清原容疑者が、来年の野球殿堂入りの投票対象となる候補者から除外される公算が大きくなった。

 野球殿堂博物館はこの日、野球殿堂入りの競技者表彰の「プレーヤー表彰部門」の候補者に名前を連ねている同容疑者の扱いを協議。表彰委員会規定にのっとり、殿堂入り投票の候補者を決める競技者表彰委の幹事会(競技者表彰委員から選出された東西プロ野球記者、アナウンサー、ディレクターなど18人で構成)の判断にゆだねることにした。

 野球殿堂入りの競技者表彰部門は、毎年11月下旬に行われる同幹事会で翌年の候補者を選び、その中の「プレーヤー表彰部門」は、野球報道15年以上の経験を持つ委員が投票。有効投票数の75%以上得票した人が殿堂入りする。清原容疑者は現役を引退して5年が経過した2014年に資格を得ると同時に殿堂入りの候補者となり、初年度に69票、3年目の今年の投票では76票を獲得。順調に得票数を伸ばしていた。

 野球殿堂博物館事務局では「規定通り、幹事会の判断にゆだねる」としているが、過去には1993年春、覚醒剤取締法違反で逮捕され、その後実刑判決を受けた元投手が、同年秋の殿堂入り表彰委の幹事会で殿堂入り投票の候補者から除外された例がある。また、プロ野球界が賭博行為や薬物問題に特に厳しい態度で臨んでいることなどを考えると、11月の同幹事会で清原容疑者が殿堂入りの候補者から除外される可能性は高い。

 ◆野球殿堂 日本の野球の発展に貢献した人の功績を永久にたたえ顕彰する制度。59年に始まり今年で計192人が、東京Dの野球殿堂博物館内に掲額される。殿堂には競技者表彰(プレーヤー表彰、エキスパート表彰)と特別表彰がある。