田母神俊雄氏の関係先を業務上横領容疑で捜索 東京地検特捜部

平成26年2月の東京都知事選に出馬した元航空幕僚長、田母神俊雄氏(67)の政治資金の一部が使途不明となっている問題で、東京地検特捜部は7日、業務上横領容疑で田母神氏の資金管理団体の事務所(東京都千代田区)などを家宅捜索した。都知事選で選対本部長を務めたテレビ番組制作・衛星放送会社「日本文化チャンネル桜」の水島総(さとる)社長(66)ら選挙スタッフが昨年12月に告発していた。

 田母神氏は昨年2月に会見し、政治団体「田母神としおの会」には都知事選後に約6千万円の残金があったが、衆院選前には約1千万円に減少しており、調査の結果、会計責任者だった50代男性が横領を認めたと発表していた。

 田母神氏側の説明によると、この男性は高級クラブでの遊興費や生活費などに充てていたという。

 田母神氏は同3月、都知事選と26年12月の衆院選に立候補し落選したが、これらの選挙で寄付などで集まった1億数千万円のうち、男性が約3000万円を遊興費などに流用したとして、この男性に対する業務上横領罪の告訴状を警視庁に送付していた。

 その後、昨年12月、選対本部長を務めた水島社長ら選挙スタッフが、この男性だけでなく、田母神氏と選対事務局長も関わっていたとして業務上横領罪で東京地検特捜部に告発していた。

 水島社長は産経新聞の取材に「選挙に関わったスタッフが勇気をもって内部告発した。不正は許してはいけない。東京地検特捜部には使途不明金の全容を解明してほしい」と話した。