佐川と日立物流、資本提携=陸運業界2位へ

佐川急便を傘下に置く国内陸運業界3位のSGホールディングスと、日立製作所の子会社で4位の日立物流が、資本・業務提携することが30日、分かった。SGは日立物流株の3割弱を900億円弱で、日立物流は佐川急便株の2割を600億円程度でそれぞれ取得。物流分野で幅広く提携し、事業拡大を目指す。SGと日立物流の売上高を単純合計すると、ヤマトホールディングスを抜き、首位の日本通運に次ぐ業界2位グループに浮上する。

 SG、佐川、日立、日立物流の4社の幹部が同日夕、東京都内で記者会見し、提携の狙いを説明する。佐川と日立物流の将来的な経営統合も視野に入れているとみられる。

 佐川は比較的小さな荷物を各家庭に配送する宅配便が強く、インターネット通販需要の取り込みに力を入れている。日立物流は企業間物流が得意で、イオンやユニ・チャームなど日立グループ以外の業務が売上高の8割を占める。

 今回の提携で、SGは日立のビッグデータ解析を活用した業務の効率化が可能となり、日立物流も事業拡大が見込める。両社は輸送トラックの融通や海外展開でも協力する見通しだ。

 日立は日立物流の株式を一部売却することにより、連結対象から外す。ただ、引き続きグループで3割の株式を保有し、筆頭株主の地位を維持する。