ノルウェー、国内の森林伐採を禁止 世界で初

北欧ノルウェーは9日までに、生態系保護を目指し国内で森林の皆伐を禁止する方針を明らかにした。この種の政府決定は世界で初めて。

同国議会はまた、国内の環境破壊を防ぐ狙いでヤシ油、大豆、牛肉と材木などの産品確保の方途を見付けることも決めた。ノルウェー政府のこれらの方針は、2014年に開かれた気候変動問題に関する国連サミットでドイツや英国と共に表明した公約に沿ったものとなっている。

国連によると、ヤシ油、大豆、牛肉や材木の生産により世界の熱帯雨林のほぼ半分程度が伐採される結果が生じた。森林が伐採されて農地用などに焼かれた場合、樹木の炭素が二酸化炭素ガスとなって放出され、気候変動につながる温室効果ガスとなる。

ノルウェー政府は国際的な環境保護対策の施策にも熱心で、08年にはアマゾン川流域の森林伐採対策の財源としてブラジル政府に10億米ドルを供与。7年間で伐採を75%減らすことを目指した。

また、25年までにガソリン車の販売を規制する対策も検討している。

現在の森林伐採の水準が今後も続けば、世界の熱帯雨林は今後100年内に完全に消滅するとの指摘もある。