ダッカ人質事件 銃撃戦1時間…あられのような弾丸 制圧作戦100人以上投入

ろう城から約10時間。突然、銃声が周囲に響き渡った。バングラデシュの首都ダッカのカフェで起きた人質立てこもり事件で2日朝、現地の治安当局が強行突入に踏み切り、銃撃戦の末に現場を制圧した。欧米メディアの報道を基に制圧までの様子を再現した。

 「制圧するため治安部隊が突入しようとしたら、あられのような弾丸と手りゅう弾に見舞われた」。現場にいた警察官が語る。

 作戦には百人以上が参加したもようだ。英BBC(電子版)は、銃撃戦は約1時間続いたと報道。一方、CNNは約10分間の激しい交戦があったとする目撃者の話を伝えた。犯行グループが最後まで激しく抵抗した可能性をうかがわせる。

 地元テレビが流した映像には、顔や衣服が血まみれの治安部隊員が最前線から下がるシーンも。「屋根に登っていたら、爆弾の爆発で建物全体が揺れた」と話すカフェの関係者もいた。

 現地の人々の話では、最初の爆発音が聞こえたのは現地時間の1日午後8時半ごろ。6〜8人の犯行グループが入ってきたときに脱出したというカフェの店員によると、店内には当時、外国人を含む約20人がいたという。

 事件発生から一夜明けた現場周辺には装甲車両が行き交い、ヘルメットに迷彩服姿で自動小銃を持つ治安部隊員の姿も。ものものしい雰囲気の中、非常線の前に詰めかけた人々は不安げな表情を浮かべていた。