「重度障害者殺す」=措置入院時、大麻陽性反応―逮捕の植松容疑者・施設襲撃

相模原市緑区の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら19人が刺殺され26人が重軽傷を負った事件で、殺人未遂などの容疑で逮捕された元同施設職員植松聖容疑者(26)が2月に「重度障害者を殺す」「(施設利用者は)安楽死させるべきだ」などと話していたことが26日、神奈川県や相模原市への取材で分かった。

施設は発言を受け神奈川県警津久井署に連絡、措置入院させた。この際、大麻の陽性反応が確認されたという。

 県警は26日午後、津久井署に捜査本部を設置。植松容疑者が障害者に殺意を抱くようになった経緯などを調べている。

 市精神保健福祉課によると、植松容疑者は施設に勤務していた2月18日、職員に「重度障害者を殺す」と発言。施設は翌19日に同署に連絡した。

 同署員が19日に面談した際には「重度障害者の大量殺人は、日本国の指示があればいつでも実行する」と話した。医療機関で診察した医師は「そう病」と診断。緊急措置入院となった。

 同22日の再診察では「大麻精神病」や「妄想性障害」などと診断され、改めて措置入院の処置が取られた。しかし、その後の診察で措置入院の必要性は消失したとされ、3月2日に退院した。

 また県保健福祉局によると、施設側は2月19日に「大変危険な考えだ」と伝えたが、植松容疑者は「自分は間違っていない」と激しく主張、その場で「ならば辞める」と退職願を提出したという。

 植松容疑者は措置入院前の2月14日には衆院議長公邸(東京都千代田区)を訪れ、障害者殺害を予告する内容の手紙を渡そうとしていたことが既に判明している。

 植松容疑者の逮捕容疑は7月26日午前2時ごろ、津久井やまゆり園に侵入し、入所者の女性(19)を刃物で刺し殺害しようとした疑い。女性は同日朝、死亡が確認された。捜査関係者によると、「障害者なんていなくなればいい」との趣旨の供述をしている。

 県警によると、午前2時ごろに植松容疑者が施設へ侵入する様子が、防犯カメラに映っていた。1階の窓ガラスが割れて近くにハンマーが落ちており、同容疑者は「窓から入った」と供述しているという。