ドンキ、短時間配送のEC導入 大原社長方針、国内向けで年内にも

ドンキホーテホールディングス(HD)の大原孝治社長が18日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、商品を1〜2時間程度の短時間で配送する国内向けの新たな電子商取引(EC)サービスを、早ければ年内にも導入する方針を明らかにした。アマゾンジャパンを中心に国内のネット通販市場が拡大していることを踏まえ、「顧客のライフスタイルの変化に対応する」(大原社長)。また、今後1年間で30店舗を新規出店する方針も示した。

 国内向けECは「『付けまつげ』など一部商品に限られていた」(大原社長)が、原則として全商品に拡大する見通しだ。商品をインターネットを介して注文し、店舗から近い距離であれば、1〜2時間程度の短時間にドンキの従業員が配送する計画だ。一部店舗で試験的に行った上で、サービスの拡大を検討する。

 ECの決済は独自の電子マネーを使用。併せて、家具やTシャツなどの色やデザインを、スマートフォンを使って選べるサービスも導入する。

 また、訪日外国人が帰国後にネットを介して商品を注文し、各国に配送するECも導入する。10月から一部店舗で開始し、順次拡大する。送料は顧客が負担するが、「(日本製の)化粧品や日用品などを、帰国後に追加で買いたいという要望は強かった」として、外国人の“リピート客”に対応する。

 購入品の中心が高額品から消耗品などに移行し、訪日外国人の購入単価は低くなっている。大原社長は「購買行動の変化に対応し、医薬品などの品ぞろえを強化する」考えも示した。

 一方、今年6月末で341の店舗数を、2020年までに500店に拡大する目標を掲げており、17年6月期は30店舗を新規出店する。ただ、店舗の建築費は「2年前に比べて3割程度高くなっている」(大原社長)という。大原社長は「新規出店の8割程度を、大手スーパーが閉鎖した跡地などを利用した“居抜き”物件で対応する」と述べ、出店コストを低く抑える考えを強調した。