伊藤忠が中国で病院経営を検討 現地企業と合弁でFS会社設立

伊藤忠商事は20日、資本提携する中国の国有複合企業、中国中信集団(CITIC)グループと、病院経営の合弁会社を設立するための事業化調査(FS)で合意したと発表した。採算性などの調査を得た上で、早ければ来年度はじめにも伊藤忠とCITICグループのCITICメディカルが合弁会社を設立する方向で調整している。

 CITICメディカルは、広東省や深セン市など7カ所の病院経営を手掛けるほか、現在さらに5カ所の病院買収を検討中。今後、具体的な病院を絞り、合弁会社に移管。伊藤忠は病院経営のIT化などで効率経営のノウハウを提供する。

 伊藤忠は国内で医薬の原料供給や医療機器販売も手掛けており将来的にはこれらのサービスの提供で病院のサービスの質も高める。

 伊藤忠商事は国内で建設や維持管理を民間委託する方式で神戸市立中央市民病院の経営を請け負っている。大手商社では三井物産がマレーシアの病院グループに参画し、インドやシンガポールなどの病院経営を手掛け、豊田通商もインドで病院経営を三菱商事はフィリピンで参画を検討している。