三菱自 国交省に燃費不正再発防止策 10月から販売再開

法令順守徹底 自粛していた国内8車種

 三菱自動車は30日、燃費不正問題で追加の再発防止策を国土交通省に報告した。燃費の再測定でも不正を行い、国交省に「常軌を逸した事態」と糾弾されたことを受けた措置で、法令順守の徹底などを盛り込んだ。国交省は追加策を評価。これを受け三菱自は8月末から自粛していた「パジェロ」など国内8車種の販売を10月1日に再開すると決めたが、問題発覚後も不正を繰り返すような社風を変えない限り、信頼回復は望めない。

 追加再発防止策は、技術者への法令順守の教育を徹底したり、新車に関する国への届け出内容を担当役員が確認したりするといった内容。

 三菱自は問題の発端となった軽自動車の燃費不正が4月に発覚して以降も、問題を小さく見せようと画策し、国交省に追及される事態を繰り返してきた。

 軽以外に販売中の9車種(他社からの供給分を除く)の燃費再測定の結果を6月公表した際には、カタログ燃費より悪い車種が3車種あったとする一方、燃費差は3%以内で「誤差の範囲」との認識を表明。燃費を訂正せず乗り切ろうとした。

 この対応に国交省は自ら燃費を計測して対抗。8月末には9車種中8車種がカタログ燃費より劣っており、最も悪い車種は8・8%もの差があったと結論づけた。この結果、三菱自は8車種の燃費訂正を余儀なくされ、販売自粛に追い込まれた。

 測定結果が両者で大きく異なったのは、燃費性能の基礎データ「走行抵抗値」(空気抵抗などを数値化したもの)の計測方法の違いからだった。法令は往復3回の試験データの平均を取るべきだと定めるだけで「4回以上試験した場合はどのデータを選ぶのか」といった詳しい規定はない。三菱自は法令の隙(すき)を突く形で最大70回試験し、都合の良い3回分を「良いとこどり」(三菱自)で採用していた。一方、国交省は往復5回実施したうち中央3回分のデータを厳格に採用した。

 三菱自は8月末の時点では自社の測定方法も「法令違反ではない」と弁明した。反省が足りないと見た国交省は9月2日、三菱自施設を立ち入り検査。70回の試験は「法の趣旨に反する」として再発防止策を報告するよう命じていた。

 三菱自は10月にも日産自動車から出資を受け、日産主導での経営立て直しを急ぐ方針。益子修会長兼社長は30日、国交省内で記者団に「会社は相当大きく変わってきている。一日も早く信頼を回復したい」と述べた。