百貨店閉店“ドミノ倒し” ネット通販台頭などで業績振るわず

百貨店の閉店が相次いでいる。そごう柏店(千葉県柏市)と西武旭川店(北海道旭川市)が30日、営業を終了。三越千葉店(千葉市)も来年3月の閉店を決めるなど、経営環境の悪化を受け、大手だけでも来年までに7店舗が姿を消す。大型ショッピングセンター(SC)やコンビニエンスストア、ネット通販の台頭などで顧客離れに歯止めがかからず、売り上げが減少。中国人観光客による“爆買い”の鈍化も追い打ちをかける。

 43年の歴史に幕を閉じた、そごう柏店。最後の営業日となった30日は、皮肉にも閉店セールを目当てに多くの人でにぎわった。開店時間(午前10時)の30分以上前に訪れたという60代の女性は「いつも利用していたので、閉店はさびしい」と話す。そごう柏店は近隣にできた大型SCや商業施設に顧客を奪われ、採算が悪化。2016年2月期の売上高はピーク時(1991年2月期)の2割にあたる約115億円まで落ち込んだ。

 そごう・西武は、そごう柏店を含め不採算の4店舗を来年2月までに閉鎖する。大手百貨店では、三越伊勢丹ホールディングス(HD)が三越千葉店と三越多摩センター店(東京都多摩市)を来年3月に、阪急阪神百貨店は堺北花田阪急(堺市)を来年7月にそれぞれ閉店する予定だ。

 “ドミノ倒し”のように閉店が連鎖するのは、顧客離れに伴って百貨店の業績が振るわないからだ。日本百貨店協会によると、15年の百貨店売上高は6兆1742億円と、ピーク時の91年(9兆7130億円)に比べ36%も縮小した。

 不振の背景は大型SCやコンビニに押されたほか、アマゾンジャパンを中心としたネット通販の拡大など「ライフスタイルの変化に十分に対応しきれなかった」(大手百貨店幹部)。

 さらに足元では、年明け以降の株価低迷で、時計や宝飾品などの高額品の売り上げがさえない。業績を下支えしてきた爆買いも失速。売れ筋が高額品から化粧品などの消耗品に移り、8月の訪日外国人1人当たりの購買単価は前年同月比で3割も減少した。

 業界では閉店する場合、6カ月程度前までにテナント業者に伝える慣例があり、今年度中にさらに閉店が続くことは考えにくい。とはいえ、節約志向の高まりといった消費者行動の変化に対応しきれなければ、今後も百貨店閉店の“負の連鎖”が続きかねない。