シャープ 複写機事業の売却検討 黒字も相乗効果薄く

台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で経営再建中のシャープが、コピー機やファクスなど複写機事業の売却を検討していることが6日、分かった。シャープの主力事業の中では高収益事業だが、鴻海との相乗効果が期待できないうえ、今後大きな成長が見込めないため、国内の大手メーカーなどに売却したい考えだ。

 複写機事業は、オフィスなどに機器をリースし、トナー交換や保守点検などのアフターサービスで収益を得るビジネス。シャープは大手コンビニの複写機を幅広く手がけており、米国など海外でも強固な販売網を築いている。シャープの2016年3月期連結決算は最終(当期)損益が2559億円の赤字だったが、複写機などのビジネスソリューション部門は売上高3551億円、358億円の営業黒字。同部門の売上高の7割を複写機事業が占め、安定した収益源になっている。

 ただ、企業のペーパーレス化などが進み、市場は成長が鈍化している。また、親会社の鴻海は複写機の製造・販売はしておらず、相乗効果は見込みにくい。8月にシャープを買収した鴻海は自社の生産力や販売網を生かしてシャープの売り上げを国内外で拡大する戦略を掲げた。事業拡大が期待できなければ、たとえ黒字でも切り離して鴻海流の経営改革を進める構えだ。

 複写機事業は、国内メーカーが世界的にも強く、シャープは大手のキヤノンに売却を打診しているが、交渉は不調。リコーや京セラ、海外メーカーも含めて売却先を検討する。

 13年には経営悪化に伴う資金確保のため、韓国サムスン電子への売却も一時、取りざたされた。そのサムスンは今年9月、複写機事業を米ヒューレット・パッカードに約1000億円で売却すると発表した。主力のスマートフォンや半導体事業に専念する方針。

 サムスンなど韓国勢をライバル視する鴻海は、シャープを通じてスマホなどに使う次世代パネル「有機EL」に多額の資金を投じる計画。サムスン同様、選択と集中を進め、黒字転換を図る。