三菱自 販売が最下位に転落へ 燃費不正問題が響く

三菱自動車が2016年度の世界販売台数で富士重工業に抜かれ、国内主要乗用車メーカー7社の中で最下位に転落する見通しであることが2日、分かった。燃費不正に伴う販売不振が響いた。三菱自の最下位転落は1970年の創業以来初とみられる。

 三菱自の15年度の世界販売は104万8000台で6位、富士重は95万8000台で7位だった。だが、三菱自は10月28日に燃費不正による国内販売の一時停止や新興国販売が景気低迷などで失速気味とし、今年度の世界販売見通しを前年度比11%減の93万3000台に見直した。見通し通りだと09年度の96万台を下回り、比較可能な02年度以降で最低となる。

 一方の富士重は2日、米国販売が好調などとして、今年度は11%増の106万2000台になるとの見通しを示した。富士重にとって100万台の大台超えは初で、三菱自を約13万台上回る計算だ。

 三菱自は90年代半ばまでトヨタ、日産自動車、ホンダに続く国内4位グループに位置していた。しかし、90年代後半〜00年代前半のリコール隠しの影響で販売が激減。4位の座を競り合ってきたスズキに大きく水をあけられた上、00年代後半にはマツダにも抜かれていた。三菱自は10月に出資を受けた日産の傘下で、経営立て直しを急いでいる。

富士重は2日、16年9月中間連結決算を発表し、売上高は前年同期比1.5%減の1兆5776億円、最終(当期)利益が15.2%減の1638億円だった。円高で中間期としては5年ぶりに減収減益となった。