日本郵政がiPadで高齢者見守り 来年3月にも全国展開

■40億円投じ事業会社設立

 日本郵政グループの日本郵便は17日、米アップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」を利用した高齢者向けの「みまもりサービス」を来年3月にも全国展開する方針を固めた。日本郵政やかんぽ生命保険など郵政グループ全体で約40億円を投資し、同サービスの事業子会社を立ち上げる。NTTドコモやセコムも出資を検討している。

 日本郵便は人件費がかさむなど厳しい経営環境にあるが、地域に密着した2万4千局のネットワークとITを活用した新事業で収益拡大につなげる考え。

 みまもりサービスは、提携している米IBM、アップルと共同で、昨年10月から山梨、長崎両県で試験的に実施。両社が開発したアプリをインストールしたアイパッドを高齢者に利用してもらうことで、離れた場所に住む家族が高齢者の健康などを確認できる。

 試験段階ではアイパッドを無償配布していたが、全国で事業化するに当たって、サービス利用料はアイパッドの貸出料も含めて月額3千円程度とする。4年後に50万人の利用者を目指す。警備会社が高齢者の緊急時に駆け付けるなど、他事業者と連携したサービスの拡充も検討している。

 みまもりサービスは、局員が高齢者にアイパッドを教える必要があるなど人手がかかる。日本郵政は、高コスト体質の日本郵便の収益拡大につながるか慎重に検討してきたが、過疎地に広がる郵便局ネットワークを生かせれば、十分に収益を確保できると判断した。

 日本郵政は、50万人の利用者を獲得できれば事業を黒字化できると見込む。今後はアイパッドだけでなく、アンドロイドのタブレットへの対応も予定している。