千葉 中心市街地の空洞化加速 JR千葉新駅20日開業で

パルコ、三越撤退 人の流れ、より駅に

 千葉市の中心市街地の空洞化が加速している。今月末には若者のファッションを支えてきた千葉パルコが40年の歴史に幕を下ろし、来年3月には三越千葉店も閉店する。一方、三つの鉄道が集まる千葉駅周辺では、20日にJRの新駅舎が開業するほか、今後も再開発が予定され、にぎわいの一極集中が進む見通しだ。中心市街地は生き残ることができるのか。

 「最終売り尽くし!」と書かれた真っ赤なポスターが張り出され、セール品目当ての若者でにぎわうパルコを出て、中央公園を過ぎると、めっきり人通りが減る。空き店舗が姿を変えたコインパーキングも目立つ。

 「昔は人をかき分けて進むほどにぎわっていたんだけどね。時代の流れとはいえ寂しいよね」。かつて県内一の繁華街だった「栄町通り商店街」で100年続く店を守ってきた70代の女性は、ため息をついた。

 栄町通りの歴史は約120年前にさかのぼる。1894(明治27)年、現在の市民会館付近に旧国鉄千葉駅が開業し、県庁へ続く目抜き通りが作られて商店が集まった。その後、京成千葉駅の開業も繁栄を後押しした。

 戦災復興に伴い、両駅が移転しても、パルコなど大型商業施設の出店でにぎわいの源は中心市街地にあった。しかし、そごうが1993年、現在の三越千葉店の隣から京成千葉駅前に移り、にぎわいは駅側に傾いた。2000年代に入って郊外に大型商業施設が相次いで出店すると客が流れ、中心市街地の空洞化は顕著になった。

 一方、千葉駅周辺は再開発計画が目白押しだ。新ビル建設のつち音が響く中、20日に改札内「エキナカ」で生鮮3品や菓子店、生活雑貨などを扱う48店が先行オープンする。JR東日本千葉支社によると、エキナカの延べ床面積は8000平方メートルで旧駅舎の約4倍。来夏以降は衣料品店などが入る駅ビルの2〜7階部分が開業する。

 駅東口では今月、駅前のビル3棟を1棟に再編する再開発工事が始まる。オフィスや商業施設を呼び込み、22年6月のオープンを目指す。西口でも市所有の約6000平方メートルの土地に商業施設が入ったビルや病院など3棟を建設する構想がある。「千葉市の街づくりと経済にとって、これほど大きな数年間はない」。駅周辺の街づくりの方向性をまとめた「グランドデザイン」を3月に公表した千葉市の熊谷俊人市長は、大きな節目を迎えていることを強調する。

 ◇歯止め有効な手立てなく

 人口が増加する一方で、中心市街地のにぎわいが失われていく中、市もただ手をこまぬいていたわけではない。07年8月に策定した「市中心市街地活性化基本計画」でも、インターネット通販の普及や郊外の大型店進出に加え、消費者のライフスタイルの変化に合ったサービスが提供できていないことが要因と指摘。にぎわいを取り戻すため、集客力や話題性のある施設の整備、イベント開催などによる活性化策を提案した。

 市が同年10月、大型店跡地にオープンした市科学館や子ども交流館などが入る官民複合施設「きぼーる」は、14年度には約88万人が利用した。周辺商店街では老朽化したアーケードを撤去し、街路灯や駐輪場を整備した。中央公園周辺でも商店街と連携し、オープンカフェや大道芸フェスティバルなどを開いてきた。だが、市の担当者は「集客効果が中心市街地全体に及んでいない」と言う。

 パルコ閉店後もにぎわいを維持するため、千葉銀座商店街と地元町内会は5月、土地の有効利用を考える「千葉銀座地区まちづくり実行委員会」を設立した。8月には、建物の低層階を商業利用に限定する地区計画案を市に提出するなど、将来を見据えた活動を進めているが、有効な手立ては見いだせていないのが現状だ。自らも書店を経営する委員長の中島浩さん(54)は「行政だけに任せるのではなく、とにかくいろいろとチャレンジするしかない」と話している。