TPP オバマ政権、断念を正式表明 トランプ氏方針で

ドナルド・トランプ次期米大統領が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱方針を示したことを受け、オバマ政権は22日、任期中の議会承認を断念する考えを正式表明した。参加国間に足並みの乱れも出る中、TPPの枠組みを崩し、2国間の貿易協定交渉にかじを切るトランプ次期政権は現行の貿易体制に批判的な人物を要職に据え、強硬な交渉姿勢を取ることが予想される。

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アーネスト大統領報道官は22日の記者会見で、オバマ大統領の任期中にTPP承認法案の審議を目指す可能性を問われ、「次のステップとして示せるものは何もない」と述べ、断念する意向を表明した。アーネスト氏は「TPPが(グローバル化に対応する)我々の戦略だった。(TPP離脱は)悲劇的だ」と語った。共和党の重鎮マケイン上院議員も同日、「中国が経済ルールを書き換える好機になる。米国の労働者と安全保障に深刻な結果をもたらす」と批判する声明を出した。

 TPP参加国の中には、トランプ氏が唱える2国間交渉に応じる考えを示す動きも出ている。ニュージーランドのマクレー貿易相は22日、地元メディアにTPPの重要性を指摘しながらも「トランプ次期政権が2国間協定を望むなら、我々はその列の先頭近くに位置したい」と述べるなど、参加国の足並みは早くも乱れている。

 一方、トランプ氏は21日、政権移行チームの米通商代表部(USTR)担当に元米鉄鋼メーカー社長のダン・ディミッコ氏を起用すると発表。米メディアによると、通商交渉を担うUSTR次期代表の候補に名前があがっている。

 ディミッコ氏はTPPについて「悪い通商協定だ」と批判。中国などによる鉄鋼製品のダンピング(不当廉売)輸出を厳しく非難し、選挙中にはトランプ氏の通商政策顧問として「我々は既に貿易戦争の渦中にある」と唱えてきた。