佐伯の不明女児 父の同僚、山頂死角の崖の下で発見「命の恩人です」祖父が感謝

大分県警は6日、大分県佐伯市宇目の畑で5日午後から行方不明になっていた徳永暦(こよみ)ちゃん(2)=同市城南町=を畑から約2キロ離れた山中で発見、保護したと発表した。暦ちゃんは顔などにかすり傷があるが、意識はしっかりしており、命に別条はないという。念のため佐伯市内の病院で診察を受けている。

 県警などによると、父親の会社同僚の平山拓也さん(29)が6日午前9時50分ごろ、山の斜面でうずくまっている暦ちゃんを発見した。暦ちゃんはジーパンをはき、長袖シャツにカーディガンを羽織っていたという。

 暦ちゃんは5日午前11時半ごろ、母親の理恵さん(29)と祖母佐藤玲子さん(58)と一緒に曽祖父母の家を訪れた。昼食後、曽祖母を含めた4人で隣の畑に出掛け、野菜の収穫作業などを行ったが、母親らが後片付けをしていて目を離した間にいなくなっていた。

 県警は5日午後1時15分ごろに通報を受け、85人態勢で捜索。6日午前0時に捜索をいったん打ち切り、午前7時からヘリコプターや警察犬を使うなど計約165人態勢で捜索を再開していた。

 大分地方気象台によると、5日夜から6日朝にかけての佐伯市周辺の天候はおおむね晴れで、最低気温は10・1度。平年より4・4度高く11月中旬並みだった。担当者は「5日夜は、12月の夜間としてはかなり気温が高かった」としている。

 ■「よく頑張った」家族涙

 大分県佐伯市宇目で行方不明になっていた徳永暦ちゃん(2)が無事保護された6日午前、家族は胸をなで下ろし、安堵(あんど)した。

 6日午前9時すぎ。暦ちゃんの父親と同じ会社に勤める平山拓也さん(29)=同県臼杵市=らは、暦ちゃんの姿が見えなくなった畑に集まり、「迷いそうな場所は捜索隊が捜している。あえて考えにくい場所を捜そう」と、山頂に向かって歩き、暦ちゃんを捜した。同50分すぎ、山頂からは死角になる崖の下に、白い服を着てうずくまっている小さな姿が見えた。

 「暦ちゃん?」。平山さんが声を掛けると、暦ちゃんは抱きついてきて、泣きだした。転んだのか、顔にかすり傷があったが、意識ははっきりしていたという。

 発見現場は畑から約2キロ離れ、上り坂の林道を数百メートル歩かなければならない場所。祖父の佐藤好昭さん(55)は「暦が1人で歩いたなんて信じられない」と驚きつつ、無事保護の知らせに「よく頑張った。本当に良かった」と涙ぐんだ。平山さんらに対して「暦の命の恩人です」と深々と頭を下げた。

 「暦、暦!」。母親の理恵さん(29)は、暦ちゃんを乗せて曽祖父母の家に向かうパトカーを走って追いかけながら、何度も叫んだ。その後、報道陣に「ありがとうございました。良かったです」と話した。