コロンビア旅客機墜落 ボリビア当局がチャーター便運航会社トップを拘束

南米コロンビアで先月28日に旅客機が墜落し、ブラジルのサッカー1部リーグ所属のプロチーム「シャペコエンセ」の選手の多くを含む71人が死亡した事故をめぐり、ボリビア当局は6日、チャーター便を運航していた会社の経営者を拘束した。

事故原因の捜査が進むなか、ボリビアの小規模なチャーター便会社、ラミアのグスタボ・バルガス最高経営責任者(CEO)が拘束された。バルガスCEOは退役した元空軍大将。

事故機は英国製の「アブロRJ85(BAe-146)」で、コロンビア北部メデジンの空港に向かっていたが、燃料がなくなり墜落した。

流出した管制塔とパイロットの会話録音からは、パイロットのミゲル・キロガさんが「電気系統が全く機能していない」「燃料がなくなった」と語っていたことが明らかになっている。

ボリビアの航空当局者セリア・カステド氏は、事故機が飛び立つ前に、ボリビア南部からメデジンまでの長距離のフライトは同機の限界に近いと、パイロットのキロガさんに警告したと語った。

カステド氏は、事故後に脅迫などを受けたとして、ブラジルへの亡命を希望している。ブラジル当局は亡命申請承認には1年かかるかもしれないと述べた。

ボリビアのカルロス・ロメロ内務相は、カステド氏を帰国させるようブラジル政府に求めた。「彼女がしたことは非常に重大だ。法律から逃れようとする行為だ」と語った。

事故では6人が助かった。そのうちの1人で乗員のエルウィン・トゥムリさんはブラジルのテレビ局に、当初ボリビア北部のコビハで給油するはずだったものの、パイロットが実行しなかったと話した。また、電気系統や燃料に問題が生じたという連絡は、乗員乗客にはなかったという。

ラミア社は当初ベネズエラで法人登記したが、その後ボリビアに本拠地を移した。保有していたのはわずか3機で、そのうち2機のみが使用可能だった。

事故に遭遇したシャペコエンセの選手らは、南米サッカー連盟が主催するクラブチームのサッカー国際大会「コパ・スダメリカーナ」の決勝で、メデジンを本拠とするチーム「アトレティコ・ナシオナル」と対戦する予定だった。

ブラジル南部の町シャペコで1973年に創設されたチームが国際トーナメントの決勝に出場するのは、今回が初めてだった。

事故の翌日、対戦相手のアトレティコ・ナシオナルは「コパ・スダメリカーナ」の優勝を譲りたいと発表。5日には、南米サッカー連盟が正式にシャペコエンセの優勝を宣言した。

アトレティコ・ナシオナルに対しては、南米サッカー連盟100周年を記念するフェアプレイ特別賞が与えられた。