東電 送電で提携検討 需給調整を効率化

東京電力が、送電事業で他社と提携する検討に入ったことが7日、分かった。社をまたいで電力の需給を調整する組織を新設し、発電や送電を効率的に行い、収益を向上させる狙いだ。関係者によると、東電はすでに他社に協議を持ちかけ、経済産業省の有識者会議「東京電力改革・1F問題委員会」(東電委員会)にも構想を示している。東日本を中心にした広域連携を目指す。

 大手電力は現在、各社が個別で、需要と供給が一致するよう発電を調整している。東電は、他の大手と組んで需給の調整機能を一元化したい考え。例えば、東北電力の再生可能エネルギーで発電した電力が余った場合、東電に融通して火力発電の出力を抑え、燃料費を削減する効果などが期待できる。

 東電が送電事業の効率化を急ぐのは、福島第1原発事故の処理費用が2013年に見積もった計11兆円から20兆円超に膨れ上がる見込みの中、収益力の強化を迫られているためだ。中でも、大手による独占が残る送配電事業は、必要なコストを積み上げた料金を国が認可する仕組みのため、確実に利益を出せる。このため東電委員会は送電事業の再編などを通じて収益力を一段と向上させ、廃炉費用に充てることを要請している。東電委の関係者は「独立した調整機関の創設は、送配電の再編、統合についての議論の目玉だ」と話し、後押しする考えだ。

 一方、他社には、東電の送配電会社と統合すれば、収益を廃炉事業に吸い上げられかねないとの警戒感もある。経営統合に踏み込まず、需給調整機能を統合させるだけなら、各社が送電線などの設備を保有したままでも実現できるため、経産省幹部は「他社も参加しやすいのでは」と期待する。

 電力の広域運用を担う組織としては、すでに経産省の認可団体「電力広域的運営推進機関」(広域機関)がある。ただ、社をまたぐ電力の融通を指示するのは深刻な電力不足の時などに限られ、安定供給が目的だ。東電は、他社と協力して機動的に需給を調整し、収益改善につなげたい考えだ。