タウンページ全国で全戸配布 非契約者にも

かつて、どの家庭や事業所にもあったNTTの職業別電話帳「タウンページ」の発行部数が減っている。ピークの1997年度は1億3千万部を数えたが、今は半減。固定電話回線の契約者に無料配布しているが、携帯電話だけを持つ人が増え、インターネットでの番号検索も根付いたためだ。このため、NTTはタウンページの復権を狙い、契約者を問わずに全国で全戸配布の方針を決定。兵庫でも2019年度をめどに実施を目指す。

タウンページは84年に誕生。90年代に、「お店探しはタウンページで」のキャッチフレーズで高い知名度を誇った。発行部数は97年度に1億3600万部、広告収入も1853億円となり、過去最高を記録した。

 しかし、インターネットの普及や固定電話離れで、15年度には発行部数が6500万部に半減。広告収入も、冊子のタウンページに限ると、約350億円と8割減に落ち込んだ。

 20年前には6千万回線を超えていた固定電話回線の加入数が、半分以下になったことが大きく影響している。

 逆境の中、発行事業を担うNTTタウンページ(東京)はあえて、コストを削減しながらの拡大戦略を選択。契約先を探して届けるよりも、全戸配布で配達経費を抑えられるといい、契約者情報の管理費をカットする。

 また、携帯電話だけを使う単身若者世帯や、セキュリティーが厳重な高級マンションに住むような富裕層の世帯にも行き届くため、広告収入のアップも期待できるという。

 同社は「ネット検索が縁遠い高齢者にとっても、電話帳は番号を調べる大事な手段」と説明する。

 180万部を発行する兵庫県内では、11年度から神戸市、13年度から淡路市で既に全戸配布を始めている。17年度には、尼崎▽明石▽姫路▽洲本▽南あわじ−の5市で全戸配布を計画。19年度までに県内全域に広げて280万部に増やし、広告収入20%増を目指す。

 発行増に加え、掲載内容も見直す。昨年度からは、巻頭特集で大学生と編集した観光情報などを紹介した。同社の吉松康夫取締役は「より多くの人に魅力を発信し、楽しく便利に使ってもらいたい」としている。

【タウンページ】NTTグループが編集・発行する職業別の電話帳。「不動産」や「クリーニング」など業種ごとに、事業所名と電話番号、住所を紹介し、企業や施設の広告なども載せている。これとは別に、50音順に「企業名編」と「個人名編」をまとめた電話帳ハローページがある。