日本郵便、物販売り場拡大へ “金の鉱脈”収益拡大狙う

■ご当地はがき・名所ブロック

 日本郵便は23日、物販を本格導入する郵便局を来年、現在の5倍の310局に増やす方針を明らかにした。コンビニエンスストアなどで使われる陳列棚を設置。独自開発した切手やはがきなどを並べるほか、観光地の郵便局であれば訪日外国人向け商品を充実させるなど、立地によって品ぞろえを変える。局内での物販の成長余地は大きいとみており、収益の柱の一つに育てたい考えだ。

 平成19年の郵政民営化で、郵便局で物販を手掛けることが認められた。しかし、日本郵便にはマーケティングのノウハウがなかったため、窓口の近くに封筒や便箋を並べる程度だった。

 日本郵便は26年、物販による収益拡大を視野に三越伊勢丹ホールディングスとJP三越マーチャンダイジング(東京都江東区)を設立。現在は同社が郵便局で販売する商品の調達やマーケティングを担う。27年、試験的に10局に専用売り場を設置したところ、那覇市の繁華街にある牧志郵便局の物販の売上高は前年の約2・3倍に膨らんだ。

 28年には浅草郵便局など50局で物販を本格化。導入した郵便局での販売増が確認できたことから、29年は新たに250局に専用売り場を設置する方針を決めた。これにより、計310局が物販を本格化する。

 郵便局ならではの独自商品の開発も進める。各都道府県の食べ物や名所などをかたどったはがき「ご当地フォルムカード」は376種類に達した。写真と切手を一体化した「フレーム切手」では、日産スカイラインなどの「名車コレクション」が好評だ。52円切手10枚と精巧なミニカー付きで3800円という高額商品にもかかわらず、よく売れているという。

 線香付きのお悔やみカード「お線香たより」も人気になっている。

 郵便局には郵便のほか、ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険のサービスを求めて、来客が後を絶たない。JP三越マーチャンダイジング店頭営業部の本庄学部長は局内での物販事業について、「売り場を確立できれば“金の鉱脈”になり得る」と指摘する。

 浅草郵便局では雷門や東京スカイツリーといった名所を再現できる「ブロック」など、従来、郵便局では置かなかった商品も陳列。観光地、繁華街、住宅地など立地ごとに最適な品ぞろえのノウハウも蓄積していく。