【アメ車は日本で売れないのはなぜ?】アメ車の燃費は意外に悪くない!?

アメ車(アメリカ産のクルマ、アメリカブランドのクルマ)というと、大柄で大排気量で燃費が悪いというイメージがあります。しかし、近年の環境志向を無視しているわけではなく、いまどきのアメ車はイメージほど燃費は悪いとはいえません。

たとえば、日本で人気のアメ車である「ジープ・チェロキー」。その上級グレードとなる「トレイルホーク」は、アメリカブランドのガソリン乗用車として初めて日本のエコカー減税対象となっているほどです。パワートレインは3.2リッターV6+9速ATで、JC08モード燃費は10.3km/L。その絶対値はさほど良いといえないかもしれませんが、車重が2010kgもあると思えば、かなりの好燃費です。

車重2040kgのトヨタ・ランドクルーザープラドと比べてみましょう。プラドは2.7リッター4気筒エンジンなのに、モード燃費は9.0km/L とチェロキーより燃費性能に劣っているのです(プラドのトランスミッションが6速ATと不利なのもありますが)。

ちなみにメーカー希望小売価格は、チェロキー・トレイルホークが510万3000円、プラドの2.7Lガソリン車は380万2582円〜469万6037円。イメージほどの価格差もないのでは?

チェロキーのV6エンジンはレギュラーガソリン仕様なので、ランニングコストも輸入車としては抑えめとなっています。

もう一台、日本に正規輸入されているブランドとして、キャデラックから2.0リッター4気筒のダウンサイジングターボエンジンを積む「ATS」をピックアップして国産車と比較してみましょう。

比べるのは、同じくダウンサイジングターボのレクサスIS200t。いずれも北米で販売されているので、今度は実用燃費に近いと言われるアメリカのEPA燃費で比較してみます。

キャデラックATSの4気筒ターボの最高出力は272hp、EPA燃費はシティモードが21mpg、ハイウェイモードが30mpgです。

一方、レクサスIS200t(北米仕様)は、最高出力が241hp、EPA燃費はシティモード22mpg、ハイウェイモード32mpgとなっています。

数字をが大きいほど省燃費というのは日本で用いるkm/Lと同じですので、キャデラックATSとレクサスISを比べると、たしかにレクサスのほうが省燃費ですが、その差はわずか。最高出力の違いを鑑みれば、キャデラックの燃費が悪いとは思えません。

つまり、日本車もアメ車も、同じようなカテゴリーのクルマであれば燃費性能は互角といえます。絶対的な燃費性能に優る小排気量の小型車を日本に導入していないために「アメ車は大食い」というイメージが強くなっていますが、燃費性能に関するテクノロジーは同等といえるのです。