男女の賃金 格差は過去最小 昨年民間・厚労省統計

厚生労働省は22日、2016年の賃金構造基本統計調査の結果を公表した。民間の男女間賃金格差は過去最小で、同省賃金福祉統計室は「役職者の増加と国の保育士・介護職員に対する処遇改善策が女性賃金の上昇につながった」と分析する。正規・非正規間の格差も過去最小だった。

 昨年6月の賃金額(残業代を除く)について従業員10人以上の民間事業所4万9783社から回答を得た。短時間労働者以外の一般労働者(非正規含む)の平均賃金は前年と同額の30万4000円。うち女性は24万4600円(前年比1.1%増)で過去最高。男性を100とした賃金格差は過去最小の73.0(14年と15年は72.2)だった。

 また、正社員は32万1700円(同0.2%増)、非正規は21万1800円(同3.3%増)、短時間労働者も時給1075円(同1.5%増)で、すべて過去最高だった。

 役職者(部課長級)の女性割合は過去最高の9.3%(同0.6ポイント増)。15年に定めた国の第4次男女共同参画基本計画では20年の目標が民間企業の部長級10%程度、課長級15%だが、現時点では部長級6.6%、課長級10.3%となっている。