最高検、元患者側に謝罪=ハンセン病「特別法廷」―熊本

ハンセン病患者の裁判が1970年代初頭まで隔離施設などに設置された「特別法廷」で開かれていた問題で、最高検は31日、熊本市内で元患者側弁護団と面会した。

 弁護団によると最高検の検事は差別的な運用を認識しないまま裁判に関わった責任を認め「おわび申し上げる」と、謝罪した。元患者団体は特別法廷で死刑が言い渡された「菊池事件」について検察に再審請求するよう求めていたが、検察側は請求しない方針を伝えた。

 特別法廷で行われたハンセン病患者の裁判は1948〜72年に95件。地裁などから上申を受けて最高裁が許可し、国立療養所などで開かれた。許可率は99%に達し、最高裁は昨年4月に公表した報告書で「一律に設置を許可した最高裁の運用は違法だった」と認めた。

 特別法廷で審理された刑事裁判のうち、菊池事件では無罪を訴えた男性に死刑が言い渡され、62年に執行された。裁判は熊本県の療養所「菊池恵楓園」などに設置された非公開の法廷で実施。当時の裁判官や検察官は手にゴム手袋をはめ、調書をめくるのに火箸を使ったとされる。

 元患者らでつくる全国ハンセン病療養所入所者協議会などは2012年11月、検事総長に宛てた要望書で、菊池事件について検察が自ら再審請求するよう求めていた。

 特別法廷をめぐっては、最高裁の寺田逸郎長官が昨年4月、国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)を訪問。翌5月の記者会見で「差別の助長につながる姿勢があったことは痛恨の出来事」などと謝罪した。