森友学園・籠池氏、幼稚園に続いて自宅も仮差し押さえ 工事代金未払いで施工業者提訴へ

学校法人「森友学園」(大阪市)の小学校建設工事を施工した藤原工業(大阪府吹田市)が、工事代金の滞納を理由にこれまで仮差し押さえした学園の幼稚園や系列の保育園などに加え、新たに学園理事長だった籠池泰典氏の自宅の仮差し押さえを大阪地裁に申し立て、認められたことが3日分かった。藤原工業の代理人弁護士によると、地裁が3月31日付で決定を出した。

 代理人は「追加工事や学校用地から発生したごみ処理費用を含めると、学園側に対する債権は16、17億円に達している」と主張。近く籠池氏や学園を相手取り、損害賠償など債権相当額の支払いを求める訴訟を起こす方針。

 同社側によると、工事の契約金額は15億5520万円で、これまで学園側から約4億5000万円を受け取ったが、昨年10月以降は指定期日にも支払いがない。鉄骨の追加や建設用地から出た産業廃棄物の処理費用などを足すと、代金の総計はすでに19億円超に達しているという。

 同社の藤原浩一社長は取材に対し「学園側からは工事代金のうち7・5億円について、完成後に大阪府からの『私学助成金』で支払うと言われた」と改めて説明。助成金申請用に必要だと籠池氏に頼まれ、正規契約とは別に「請負代金7億5600万円」とする契約書を作成したとした。代理人は「私学助成金という名目の補助金は存在しないことが分かった。だまされて契約したということだ」と強調した。