TPP、米抜き11か国で日本主導…政府方針

政府は環太平洋経済連携協定(TPP)について、米国抜きの11か国での発効を目指す方針を固めた。

 TPPを離脱した米国の「復帰」を求めて説得にあたってきたが、当面は困難と判断し、方針転換した。

 アジア圏の自由貿易構想では、TPPのほかに、日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など16か国でつくる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の締結交渉が進んでおり、年内合意も取りざたされている。ただ、交渉は中国主導で進んでおり、日本政府は「市場開放が不十分に終わる恐れがある」(政府筋)と警戒している。このため日本が主導したTPPの発効を改めて目指すことにした。5月にベトナムで開かれるTPP閣僚会合で、11か国での発効を呼びかける方向で調整している。