ヒアリの駆除や情報提供の強化を 政府が対策会議

政府は20日、強い毒を持つ南米原産の「ヒアリ」が相次いで見つかったことを受けて、首相官邸で対策を話し合う関係閣僚会議を開いた。輸入業者や荷主などにヒアリ対策の周知を進めるほか、国民への情報提供を強化することなどを決めた。早期発見や駆除に注力することも確認した。安倍晋三首相は「引き続き侵入、定着の防止に全力を挙げる」と述べた。

ヒアリは6月9日に兵庫県で初めて確認され、これまでに港湾部を中心に6都府県の8カ所で見つかった。中国や台湾などヒアリの繁殖地から輸入される貨物に紛れて侵入したとみられている。会議では、こうした地域から貨物を輸入する荷主や業者に対し、アリの有無のチェックやコンテナの洗浄を徹底するよう求めることを確認した。

ヒアリは壁や道路の割れ目などに巣を作りやすいことから、港湾部を中心に隙間を埋める対策を順次実施。さらに夏休みに入ったことから、教育委員会などを通じて教員や生徒にヒアリを見つけたときや刺されたときの対処などの情報提供を進める。